9月末から3泊4日で台湾に行ってきた。初めて1人で海外行きの飛行機に乗った。だいたいいつも怖い怖いと怯えるのは、空港。入国審査のゲートって、なんか怖いんだもん。英語が話せないから、もし何か聞かれたらどうしよう! と思ってしまうのです。
行ってみてわかったこと、入国審査なんて全然大したことなかった。
昔からそうだ。起こることを心配しすぎて、たまにヘビみたいに手も足も出ない状態になる。何もしなければ、何も起こらない。だから何もしないことが最善だと思って何もできなくなる。時々そんな感情に埋もれそうになる。大切であればあるほど、何もできなくなってしまう。関わりたくなくなってしまう。嫌われたくないから。冷静で大人的な判断をすればいいのに、と思う。
でも自分に聞いたら、やってみようよと、声がする。何かを決断するには勇気がいる。
台湾では現地の友達にたくさんの場所に連れて行ってもらって、たくさんの食事を楽しんだ。
漢字でなりたつ看板、屋台の人混み、市場の活気、カラフルな果物、見たことない食事。提案してもらったことは全て行った。
特に印象的だったのが、市場であった青年だった。その青年店員が友達のママを接客しながら、チラチラとこちらを見てくる。お? 何事? 何を話してるかは中国語なのでもちろん聞き取れない。しばらくママと話した後、こちらへ来て、
「僕は日本語を勉強しています。」
とハニカミながら言ってきた。その照れっぷりが初々しくて、なんか良いなと思いながら、私はいつか日本に遊びにきてねと言い、再見! と付け加えた。きっと青年店員も恥ずかしいけど、でも日本人と話してみたいと思って勇気を出したんだろうなと思った。
この旅中ずっと、もてなしてくれた友達家族には感謝の一言に尽きる。あ、もしくは謝謝。案ずるより産むは易しなんて言うけど、本当に心配したってしょうがない、机上の空論もしょうがない。それが今回の旅の学んだこと。だってあんなに心配していた入国審査だって、できたんだもん。ちいさなことでも成長した自分を少しだけ褒めてあげたい。
今回の行き当たりばったりは、これにておしまい。
「あやとりや」という名前で活動しているけしごむハンコ作家です。 宗像は初めての就職先だったり、作家として活動するようになってからも、何かと御縁を頂いております。この連載では宗像の事のみならず、日常で心が動いたことをお伝えできたらなと思います。どうぞ、ゆるゆるタイムのお供になれば・・・。