先日、青山明日香さんの音楽ライブがあった。海が見える最高のロケーションで、軽快なリズムと伸びやかで優しい声。たまにお茶目な歌詞も入って、ふふふっと笑いも起きる。子ども達が外で遊ぶ声も相まって会場はますます和やか。初めて聞くのに、どこか懐かしくなる。わかるなぁ、この気持ち。そんな心に沁みる歌に胸を打たれていると昔の思い出が少しずつ鮮やかに。

 

「名前を書いた人から始めていいぞー。」

 

名前を書いてテストを始める。漢字の出題、作者の意図、そんな問題を解いてたどり着いた最終問題。

 

「メールと手紙、どちらがより良いか、一方を選んでその理由を答えよ」

 

みんなの筆跡音が聞こえる中、私は書けずにいた。メールと手紙、どちらが良いか……そうだ! どちらか決められないのだから、それが私の答えだろう!

 

私はどちらの良いところも綴り、だから私は決められません、と記入してテストを終えた。

 

数日後、テストの返却があった。正直あの回答がどう受け取られたのだろうと楽しみだった。教壇に回答用紙を取りに行き席について、まじまじと見てみる。

 

先生は私の回答に0点を付けていた。

 

確かにどちらか選べと書いてある出題を無視して、自分の意見を書いたのだ。0点であるのも仕方がない。でも私はこの答えを書いて良かったと思った。メールも手紙も同じくらい私は良いと思っているのに 選ばなかったどちらかに失礼になると思ったからだ。だから私は0点と言われても、自分に嘘をつくことなく答えられて良かったと思った。

 

人が想いを込めて、全身全霊で何かをする時、それは周りの人にも感染する。私は青谷さんのライブを見て、聞いて、感じて、こんな遠い昔の過去を思い出した。心が揺さぶられるのは、気持ちがいい。あのライブ以降、私は未だに青谷さんの歌を聞きながら、毎朝車を走らせている。

 

人と違うこと/自分を貫くこと/とても難しい/だいたいは流されてしまう/でも大丈夫/本当の仲間ができるから/とうるる ゆっくりでいい/築いていこう/自分の城 (青谷明日香さん/異端児の城 より抜粋)

Ayatoriya's Profile

「あやとりや」という名前で活動しているけしごむハンコ作家です。 宗像は初めての就職先だったり、作家として活動するようになってからも、何かと御縁を頂いております。この連載では宗像の事のみならず、日常で心が動いたことをお伝えできたらなと思います。どうぞ、ゆるゆるタイムのお供になれば・・・。

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